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2011中秋節快楽!

モニュメント 【北京 日常 ブログ】
 明日9月12日は、中国の中秋節。 旧暦8月15日のお月見の日だ。
 中国では3年前からこの日が祝祭日に指定され、前後の土日と合わせて3日間のプチ連休となっている。

 中国のことわざに 「十五的月亮十六圓」 (十五夜お月様は十六夜のほうが丸い) とある。 自然科学的にも、旧暦8月16日のほうが15日より満月になることが多いそうだ。
 ところが今年から3年間は、その名の通り、十五夜お月様に “満月” の軍配が上がるという。

 中国メディアによれば今年、月が最も丸くなる時間は、北京時間の12日午後5時27分 (日本時間、同日午後6時27分)。
 この時に月が 「珠圓玉潤」 (珠のように丸く、玉のように滑らかなさま) になるのだそうだ。 とはいっても、北京あたりでは夕照が映えるころ。 残念ながら、肉眼では珠圓は見られないだろう。
 明日の予報は、曇りのち薄曇り。 雲が明月を隠す可能性が高いようだが、運がよければ 「雲追月」 (雲が月を追う) という絶景が楽しめるという。

 今年の中秋節を前に、ちまたで話題になったのが 月餅税
 中国では中秋節に、家族そろって月見をしながら月餅を食べる風習がある。 これを前に月餅を贈りあうのが伝統的習慣だが、今年は職場で配られる月餅に税金を課すいわゆる月餅税が取りざたされた。
 月餅や月餅券を個人所得の一部として、課税対象にしようとしたのだ。

 近年のインフレに伴い、月餅も値上がりしている。 例えば、数年前は平均的な手のひらサイズが1個8元 (1元は約12円) ほどだったのが、今年は10元前後に値上がりした。
 月餅は高級ワインとのセットやフカヒレ入りなどの贅沢品として贈賄の温床になることもあり、税務当局は早くからこれを課税対象として目をつけていたのかもしれない。

 だが、月餅税に対しては 「庶民のささやかな楽しみを踏みにじるものだ!」 などと人々が猛反発し、いつしか立ち消えとなったもようだ。
 満月と一家団欒のシンボルである月餅を食べ、家族の円満と幸せを願う月餅……。
 そんな時に、月餅の何%かが税徴収されるかと思えば、幸せな気持ちも “欠けて” しまうのは無理もないことだろう。

 中秋節といえば、宋代第一の詩人、蘇軾 (蘇東坡、1036−1101) の 「中秋月」 を思い出す。
 
   暮雲収盡溢清寒
   銀漢無聲轉玉盤
   此生此夜不長好
   明月明年何處看

   ――日暮れ方、雲も収まり、銀河には玉の盆のような明月が音もなくさしのぼった。
   この人生、この夜も永久には続かない。 この明月を、明年はどこで見ることだろう。

 蘇軾が徐州で知事をしていたころだろうか。 まだ40歳を過ぎた時分だが、中央を追われてからの詩作の1つである。 感傷的でありながら、それでいてどこか人生を達観した趣がある。

 この後、蘇軾は詩作が中央を誹謗したなどとされて、逮捕、下獄を繰り返し、59歳で瓊州 (けいしゅう、今の海南島) へ流された。 ようやく赦免されて帰る途中、常州 (今の江蘇省常州市) で病死。 66歳だった。
 晩年は、毎年の明月をどんな思いで眺めていたのだろう。

 明日、2011年の中秋節――。
 北京には明月が上るだろうか。



※ 写真は、北京の繁華街に現れた中秋節風のモニュメント (崇文門、9月11日)。


※ 関連エントリー
・ 中秋節に味わう 現代版のメール漢詩  (2007年9月26日付) 
・ セクシー月餅、登場っ!!!  (2008年9月5日付) 
・ 中秋節、夜は小雨、十六夜は○  (2008年9月13日付) 
・ 中秋節、名月に愉しむ名詩  (2008年9月15日付) 
・ 2010中秋節の夜に…  (2010年9月22日付)



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  • 2017.05.23 Tuesday
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コメント
月餅に税金!!そりゃ怒りますよね(`Δ´)

私はどこで過ごすのでしょうか…下手したら(今のところ一番確率が高いですが)病院で過ごすことになりそうです。トホホ(;´д`)

よい中秋節を!
  • やーうぇん
  • 2011/09/11 7:30 PM
やーうぇんさん: ありがとうございます。
月餅税、怒りますよねー。
でも各国にいろんな税金があるそうで。日本でもタバコ税がまた上がるとかで、問題になっていますよね。

明日夜は病院でしょうか?
十五夜お月様に、早く治るようお祈りしましょう〜〜!^^

どうぞお大事に。そしてよい中秋節を!!

晩上好!

科学が発展し、高度度経済発展等で核家族化しつつある今日、
一家団欒の家族水いらず(ささやかな豊かさと小さなしあわせ)をかみしめながら、楽しく暮らす。

趣に満ちた風習
・・後世にいつまでも残してもらいたいものですね。

       晩安。再見!
  • にこにこのujicyan
  • 2011/09/11 8:47 PM
にこにこのujicyan様: ありがとうございます。

本当に仰る通りです。
ただ中国の人たちは、日本人以上に“血縁関係”を大事にするので、中秋節の風習は、形を変えても続いていくのかもしれませんよね。

「中秋」という語は、早くは儒家の経書『周礼』(戦国時代以降)に見られるそうです。

また7世紀の唐代初期には、中秋節が固定の祭日になったそうなので、少なくとも1400年の歴史がある。

ちょっとやそっとじゃ無くなりそうにありませんよ。(^^;
十五夜望月 王建

中庭地白くして 樹にからす棲む
冷露声なく 桂花うるおす
今夜月明 人ことごとく望む
知らず 秋思の誰か家にか在ると

さらに毎年のようにご紹介するんは、

月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月

都都逸では、

遠く離れて 会いたい時は 
月が鏡に なればよい

何事も なかったような 顔して帰る
白い化粧の 朝の月

♪どうだい? 艶っぽいだろ? もうひとつやろうか?♪
♪ええ、やって!♪

この袖で ぶってあげたい もし届くなら
今宵のふたりにゃ じゃまな月

ほなまた。


  • とらやん
  • 2011/09/11 9:15 PM
とらやん様: ありがとうございます。
中唐の詩人、王建の詩ですね。やはり十五夜のお月様に、人は物思いにふけるのでしょうか。

都都逸の「白い化粧の 朝の月」というのは、うまい喩えでおもしろいですね。

「艶っぽい」というよりも、選ばれたのは、ひょうきんな感じがしますよ〜〜。(^○^)
艶っぽくないでっか? そら、しゃおりんさんが、何事もなかったような顔して帰ることがなかったからですがな。
68回ベネチアは、優秀女優賞にアン・ホイ監督「シンプル・ライフ」(原題「桃姐」)のデニー・イップ。なかなか艶っぽいようでっせ。
銀獅子賞は「人山人海」の監督さん。検閲も無視、海外出品情報も秘密。中国関係の映画、がんばってはりますなあ。炭鉱の劣悪な環境は、政府としてもあんまりみんなに見て欲しくはないしねえ。
ちなみに金獅子賞は、わが敬愛する、ロシアのアレクサンドル・ソクーロフさんの「ファウスト」。
ま、サッカー見て、つぶやいて、コメント返して、けっこう、忙しいですなあ。急に寒くなった北京の秋、くれぐれもご自愛を。
ほなまた。
  • とらやん
  • 2011/09/12 1:38 AM
月餅税ですか!庶民には何のことだと怒りび対象かも!さすが中国、世界にはいろいろあるのだなと関心しました。高知の昨夜の月はきれいでした。日本は秋雨前線が南下せず、猛暑が続いていますが、お月見には絶好の好天になるようです。暑さで農作業もなかなか進みませんが、お月見は楽しめるかもと期待しています。
  • 「こころの友」
  • 2011/09/12 5:53 AM
とらやん様: ありがとうございます。
「艶っぽい」というよりも……艶っぽさを包み込んだコミカルさのほうが増していると思いましたよ。

「人山人海」の受賞は、昨日の夕刊『法制晩報』でも大きく伝えられましたが、今後また報道規制がかかるのでしょうか?
中国では一般公開されそうにない内容ですが、チャンスがあれば見てみたいです。
「こころの友」様: ありがとうございます。
今日は「お月見には絶好の好天」でしょうか? お羨ましいです。

北京は朝から曇り空。このままいけば、「雲追月」はもちろん「雲遮月」となり、月のかけらも見えないかも。。。

心の中に満月を描きたいと思います(苦笑)。
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