<< 映画 「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」、5/17日本初公開へ | main | 『中国地名カタカナ表記の研究』、ワンリーの長城ってナニ!? >>

ドキュメンタリー映画「中国・日本 わたしの国」、6月〜東京ほかで公開へ

「中国・日本 わたしの国」 【日本 映画 ブログ】

 映画の話題が続きます。
 今回、ご紹介するのは、世界的に知られる日本最大級のドキュメンタリー映画祭 「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」 に正式出品され、注目された日本のドキュメンタリー作品 中国・日本 わたしの国

 東京都内でタクシードライバーを務める山田静さん (59歳、2013年当時) は、母の祖国・日本へ来て22年目を迎えた、中国残留邦人2世。
 日中戦争に翻弄され、中国で2度、日本で1度の離婚を経て、異父兄妹4人の子を女手一つで育て上げました。

 誰に対しても物怖じせず、自身の主張は通す。 弱音は吐かず、誰の手助けも借りたくない――。 カメラはそんな彼女の “肝っ玉おっ母” たるルーツをたどり、大連への里帰りに同行。 その半生を追い求める旅に出ます。
 監督は、自主制作で第1回水戸短編映像祭グランプリを獲得し、今作品が長編デビュー作となった、ちと瀬千比呂
 ――原一男監督主宰の 「CINEMA塾」 を経て、主に篠原哲雄監督、黒木和雄監督の助監督を務め劇映画への道を模索していたが、中国のワン・ビン監督の 「鉄西区」 に衝撃を受け、デビュー作はドキュメンタリーへ回帰することとなった――という気鋭の監督です。

 映画が浮き彫りにするのは、先の戦争に翻弄された中国残留邦人の存在です。
 1972年の日中国交正常化を契機に、多くの残留邦人が日本に帰国しました。 81年からは厚生省 (当時) が中心となって中国残留孤児・訪日肉親捜しが開始され、多くの残留孤児が日本を訪れて肉親を探すようになりました (「中国残留邦人とは」、厚労省サイト)。

 以来33年。 国による 「残留日本人孤児の身元調査」 で今年3月31日現在、中国残留日本人孤児の総数は2818人、うち身元判明者が1284人
 永住帰国者の総数が6706人 (うち孤児2555人、うち婦人など4151人。 家族を含めた総数2万879人) に上るそうです (厚労省サイト)。 

 永住帰国者が家族を含めて2万人余りというのは、決して少なくない数です。 しかも、その多くの人たちが帰国してからも言葉の壁や就職難、アイデンティティーの揺らぎなど、様々な問題にぶつかっているのが現状です。

 山田静さんのケースはそのうちの1つでしかありませんが、残留邦人やその家族たちが日本でどう暮らしているのか? どんな思いを持っているのか? 同じ日本人である、または日本国籍を取得した彼らの存在とは何なのか?
 映画を通して改めて理解し、考えてみる、良い機会であるかもしれません。

 「中国・日本 わたしの国」 は6月より、渋谷のユーロスペース (東京都渋谷区円山町1−5、TEL:03-3461-0211) ほか、全国順次ロードショー。
 詳しくは、公式サイト でご確認ください。


【中国・日本 わたしの国】 
 監督: ちと瀬千比呂
 製作・配給: パル企画
 2013年/日本/108分/HD撮影/DCP
 公式サイト 「中国・日本 わたしの国」 


※ 写真は、案内ハガキより。

スポンサーサイト

  • 2017.12.09 Saturday
  • -
  • 13:50
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク
コメント
見たい〜!北京で(第三回?)日本のドキュメンタリーフェアを期待しています
  • 任意
  • 2014/05/04 10:43 AM
任意さん: ありがとうございます。

これまでには、
2008年
http://pekin-media.jugem.jp/?eid=483

2011年
http://pekin-media.jugem.jp/?eid=1299 
http://pekin-media.jugem.jp/?eid=1301

がありましたよね。また北京で開催されるといいですね!
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック
calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recent trackback
recommend
在日中国人33人のそれでも私たちが日本を好きな理由
在日中国人33人のそれでも私たちが日本を好きな理由 (JUGEMレビュー »)
趙 海成
小林さゆり/訳

【中国人著者が聞き出す本音の日本論】
『それでも私たちが中国に住む理由』、待望の姉妹本!
recommend
今こそ伝える日中100人
今こそ伝える日中100人 (JUGEMレビュー »)
北京大学日本校友会

日本と中国をつなぐ100人へのインタビュー集! 私も紹介していただきました。 お陰様でたちまち2刷に!!
recommend
在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由
在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由 (JUGEMレビュー »)

中国18都市に住む、日本人108人のリアルな証言! 取材・編集に携わりました。 5刷 好評発売中!
recommend
中国年鑑 (2012年版)
中国年鑑 (2012年版) (JUGEMレビュー »)

最新中国情報を網羅!
「暮らし」を執筆しています。
recommend
中国年鑑 (2011年版)
中国年鑑 (2011年版) (JUGEMレビュー »)

最新中国情報を網羅!
「暮らし」を執筆しています。
recommend
中国年鑑 (2010年版)
中国年鑑 (2010年版) (JUGEMレビュー »)

最新中国情報を網羅!
「暮らし」を執筆しています。
recommend
これが日本人だ!
これが日本人だ! (JUGEMレビュー »)
王 志強
小林さゆり/訳

【読んで首肯するか、立腹するか! ―― 中国人の対日認識を知るための必読書】
2刷 好評発売中!
recommend
北京探訪―知られざる歴史と今
北京探訪―知られざる歴史と今 (JUGEMレビュー »)

「大ブームに沸く 笑いの文化」を執筆しています。
recommend
出張に役立つ中国語―もう困らない、恥をかかない
出張に役立つ中国語―もう困らない、恥をかかない (JUGEMレビュー »)
ニューメディア研究所thinking

2005年アルク刊
コラムを執筆しています。
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM