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映画 「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」、日本で初公開

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 旧日本軍の南京攻略戦から多くの市民らを救った “南京のシンドラー” こと、ドイツ人実業家のジョン・ラーベを描いた劇映画 ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜 (中国・フランス・ドイツ合作映画、フローリアン・ガレンベルガー監督、2009年公開) が5月17日(土)、東京・墨田区の江戸東京博物館ホールで上映されました。
 日本での公開は初めて。

 1937年の南京事件をテーマにした映画の上映運動を進めている 「南京・史実を守る映画祭」 実行委員会が主催しました。

 この日の上映は全2回ともにチケットが完売。 訪れた第1回上映では、若者から中高年まで幅広い世代が集まり、約300人の会場が満席となりました。
映画「ジョン・ラーベ」初公開 映画は、悪名高きナチス党員でありながら、南京国際安全区委員会の委員長役を引き受け、市民を戦火から守るべく奔走したラーベと、彼をとりまく人々の姿を細やかに、かつ臨場感豊かに描きます。

 中国、ドイツでは2009年に公開。

 ドイツ映画賞で主演男優賞・作品賞・美術賞・衣装賞を受賞、バイエルン映画賞では最優秀男優賞・最優秀作品賞を受賞した作品です。

 上映会では、映画に先立ち、新進気鋭のドイツ人監督、フローリアン・ガレンベルガー氏からのビデオメッセージが公開されました。
 「今回、ついに日本で公開されることを大変うれしく思います。 この映画は、日本の皆さんに見ていただくことで初めて完成すると思う」
 「日本の皆さんにとって、見るのがつらい映画だということは承知している。 ですが、この映画に日本を非難するという意図は全くありません。 ドイツ人である私たちには、誰も批判する資格はない。 長い間、見過ごされてきた事実に光を当てることが意図するところ」
 「過去に向き合うことは、現在をよりよくする。 (この映画の公開により) 日中、ドイツの歴史の一場面を通して、当時、何が起きて、なぜ起きたのかをオープンに議論するキッカケとなってほしい」 ……(要旨)

 監督はそう語り、「あくまで現状を改善するために」 (監督) 改めて歴史に向き合うことへの大切さを訴えました。

               ◇          ◇          ◇

 映画上映に続いて記念シンポジウムが開かれ、中央大学名誉教授の姫田光義氏 (中国近現代史研究)、ジョン・ラーベの研究で知られる大阪府立大学大学院生 (人間社会学研究科) の永田喜嗣氏が出席。
 岩波書店の雑誌 『世界』 編集部の熊谷伸一郎氏の司会で、映画に描かれた歴史上の人物や時代背景などについて、わかりやすく解説されました。

 その中で永田氏は、ラーベその人の描かれ方について、これまで世界で製作された映画 「南京1937」 「南京!南京!」 などが描いたものよりも、「実像に近くなっている」 と指摘。

 「ラーベは (日本軍から無辜の市民を救った) “不屈の闘士” というイメージがあるが、実際にはエキセントリックで空気が読めないところもあった。 一方でアフリカ、中国などでの海外生活が長かったことから、誰とでも仲良くし、おちゃめで、権力に頓着しない人だった。 空気を読まないからこそナチにも立ち向かい、逮捕された。 “南京のシンドラー” とよくいわれるが、私は 南京のドン・キホーテ だと思う」 などとラーベの実像を紹介しました。

 また日本兵の描かれ方について姫田氏は、「中国映画 『南京!南京!』 では捕虜を逃がした人道主義的な日本兵が責任を取って最後に自殺したが、この映画でも同じような若い少佐が描かれる。 そんなことはあり得ない、と思いながら、あのシーンは日本人としては救われる思いがした」 と率直な印象を明らかに。

 その上で、これまで著書の 『証言 南京大虐殺』 『もう一つの三光作戦』 などで記録してきた通り、「歴史学的にも南京事件、慰安婦問題は事実として決着がついているが、いまだに 『事件はなかった』 『捏造だ』 とする声もある」。
 「1984年の第1回 (南京) 現場調査から30年が経ったが、日本人の心に (事件が) 歴史認識として定着してこなかったのは、私たちの力の弱さもあり残念だ。 だが今日はこれだけ多くの人が集まり感動した。 歴史に盲目になる者は、再び同じ過ちを繰り返す。 これからも事実を世界に発信する活動を続けていく」 などと強調しました。

 司会の熊谷氏は、「20代のころ (日本の) 元軍人さんの証言を聞いて回ったが、戦争体験者がどんどん高齢化し、亡くなっている。 歴史の風化と闘わなければならないが、来年は戦後70年の大きな節目。 あの戦争ときちんと向き合うことは、まだ遅くない。 そうした中で、戦時下にあった人々のつらさ、苦しさをリアルに追体験できるのが、映画であり、日記であり、本であると思う」 と主張。 戦争を知らない若い世代が、様々な手段で歴史を知ることの重要性を訴えました。

 映画 「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」 に対しては、ラーベはナチス党員でありながらも 「愛と善意の人として描かれている」、また作品は 「原作から大幅に脚色されている」 などと指摘する声もあります。
 けれども監督自身が 「この物語は 『ラーベの日記』 にインスピレーションを得て描いたもの」 として劇映画であることを断っています。

 確かに映画にはフィクションの部分がありますが、そうした部分を理解した上でも、戦争のつらさ、恐さを 「追体験する」 (熊谷氏) ことはできそう。
 (ちなみに映画に出てくる南京を爆撃する日本軍機は、アニメ映画 「風立ちぬ」 で描かれた堀越二郎が設計した九六艦戦で、これは事実の部分だとか)

 「ジョン・ラーベ」 を鑑賞することは、観客の1人ひとりが監督の意図に思いを致す、いい機会になるのではないでしょうか。

 次回上映は、8月23日 (土)、東京・文京区の文京シビックセンター、小ホールで行われる予定。 詳しくは、公式サイト でご確認ください。


「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」 公式サイト 
  ※ ジョン・ラーベの孫、トーマス・ラーベからのメッセージも公開中。

【ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜】 
 監督・脚本: フローリアン・ガレンベルガー
 ドイツ、フランス、中国合作、2009年公開
 言語: 英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、北京語、広東語、日本語
 出演: ウルリッヒ・トゥクル、ダニエル・ブリュール、スティーヴ・ブシェミ、
 香川照之、杉本哲太、柄本明、ARATA  ほか


※ 写真は、日本での映画初公開の模様 (2014年5月17日)。
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◆.蹈咫爾和臉の観客でにぎわいました。 会場の江戸東京博物館には 「上映へのいやがらせ電話があった」 (主催者) そうですが、第1回上映では上映への妨害などはありませんでした。

※ 関連エントリー
・ 映画 「ジョン・ラーべ」 の日本上映禁止、中国紙が報道 (2009年4月1日付) 
・ 映画 「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」、5/17日本初公開へ (2014年5月1日付)

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  • 2017.06.25 Sunday
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