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「銃弾は人の気持ちを奪えない」―満蒙開拓の悲劇伝える映画 「望郷の鐘」 完成披露試写会で

  「望郷の鐘」完成披露試写_1

 「望郷の鐘」完成披露試写_2  「望郷の鐘」完成披露試写_3

「望郷の鐘」完成披露試写_4 【日本 映画 ブログ】

 戦前から戦中にかけて、旧満州 (現・中国東北部) に渡った開拓民を題材にした映画 望郷の鐘 満蒙開拓団の落日完成披露試写会が11月14日夜、東京・中野の 「なかのZERO」 大ホールで開かれ、山田火砂子 (やまだ・ひさこ) 監督 (82)、主演の内藤剛志さんらが舞台挨拶で 「二度と戦争を起こしてほしくない」 (山田監督)、「鉄砲の玉は人の命を奪えるが、気持ちを奪うことはできない」 (内藤さん) などと熱いメッセージを伝えました (下記参照)。

 この日は、同映画初めての一般向け完成披露だけあって、約1300席の会場はほぼ満席。
 和田登さんの児童文学 「望郷の鐘」 を原作としたこの映画は、戦後の混乱期、旧満州で親と生き別れ、中国人に育てられた子どもたちを国に先駆けて探し出し、「中国残留孤児の父」 と呼ばれた、長野県阿智村の住職、故山本慈昭 (やまもと・じしょう) さんをモデルにしています。
 映画は、山本さんの生涯を通して描かれる、戦後の開拓民たちの必死の逃亡、家族との生き別れ、1972年の日中国交正常化前に個人の立場で国に働きかけた中国残留孤児の調査、そして実の娘との再会……といった出来事を、観客もシアターで “追体験” するかのようなリアルさに満ちています。
 会場からは時折、すすり泣く声が聞こえてきたほか、上映後には大きな拍手が沸き起こりました。

 来年は戦後70年。 あの戦争の実体験を伝える語り部が少なくなる中、子どもから大人まで、ぜひ多くの人に見てもらいたい作品です。

○山田火砂子監督 挨拶
 いつも同じことを言っていますが、私は、映画は娯楽だと思っています。 テーマは必要ですけれど、娯楽作品を作りました。 親子で、仲良く見られると思います。
 二度と戦争を起こしてほしくない。 来年は平和70年です。 ぜひ、この映画を支援してください。
 「満州」 という国を作ったばかりに、第2次世界大戦へ入っていっちゃったんですよ。 絶対に人の土地へ侵略するようなことは、しないようにしてもらいたい。 その思いで作りました。
 よろしくお願いします!

○原作・脚本の和田登さん
 実はこの原作は、25年余り前の昭和62年に出版されました。 その時には、青少年読書感想文コンクールの課題図書になって19万部売れましたが、話題にはならなかった。
 今回はどうでしょう。 この映画になり、新聞、テレビと、大変 (な反響) です。 やはり時代がそうさせているんだと感じています。
 監督が今おっしゃった時代への怒り、そのものが大いに状況を作っていくんだと思います。
 皆さんで一緒にこの映画を見て、考え、それから戦争のない時代を作っていきましょう。 ありがとうございました!

○主演の内藤剛志さん
 本日はご来場いただき、本当にありがとうございます。 皆さんにご覧いただくことで、この映画が本当に完成するんだと思います。 心からうれしく思っています。
 監督すごいでしょ? あのパワーで、僕たちが現場を走りました。
 現場から思ったのは、2つです。 1つは戦争というものは、鉄砲の玉は人の命を奪えるけれども、気持ちは奪うことはできない。 人が人を思う気持ちは、何があったって潰えることはない、と思ってやっていました。 人を思う気持ち、そしていつか帰ってやるという気持ち、あきらめない気持ちは、鉄砲の玉じゃ止まりません。
 もう1つは、監督が撮影前にもおっしゃっていましたが、映画はおもしろくなくちゃいけない、ということ。 そのこともずっと心にして演じてきました。
 この後、ご覧いただくわけですが、2時間弱の映画、「その時間をお楽しみください」 という言葉が合わないのであれば、何か特別な時間として皆さんの心に残ってくれると本当にうれしく思います。 ありがとうございます。


■ 「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」
 監督: 山田火砂子、 原作・脚本: 和田登、 プロデューサー: 国枝秀美
 製作: (株)現代ぷろだくしょん
 出演: 内藤剛志、渡辺梓、星奈優里、李麗仙、常盤貴子ほか
 協力: 阿智村、満蒙開拓平和記念館
 日本、2014年
 公式サイト

【あらすじ】
 日本の敗戦が鮮明になった1945年。 満蒙開拓団として日本を旅立つ一団があった。 信州は伊那谷の貧しい三村からなる阿智郷開拓団だ。
 寺の住職で国民学校の教師でもある山本慈照は、村の有力者らの懇願で、妻と幼い二人の子どもと満州に向かう。
 しかし現地について間もなくソ連が参戦。 慈照はシベリア送りとなり、2年間の重労働ののち帰国するが、妻子は教え子とともに死んだと聞かされる。
 しかし、子どものひとりは生きているという情報があり、これを機に 「残留孤児捜し」 が始まる。 子どもと再会できた慈照はその時、すでに80歳を超えていたのだった――。

※ 写真は上から、
1) 主なスタッフ、キャストが登壇した
2) 「来年は平和70年。 ぜひ、この映画を支援してください」 と山田火砂子監督
3) 「時代への怒り」 がこの映画の反響を呼んでいるという、原作・脚本の和田登さん(右)
4) 主演の内藤剛志さん(右)と、慈昭の妻役の渡辺梓さん

 「望郷の鐘」完成披露試写_5  「望郷の鐘」完成披露試写_6
5) 開映を前に楽屋を訪ねた、阿智村の熊谷秀樹村長(左)、内藤さん
6) 中国人役を務めた渡辺道代さん (左、東京都日中友好協会常務副会長)、楊玲さん (4人組ユニット桜組の一員)

  「望郷の鐘」完成披露試写_7  「望郷の鐘」完成披露試写_8
7) 内藤さんと。 緊張した面持ちの私です (汗)
8) 中国人役の磯村みどりさん (左) と。 中国の大ヒット映画 「非誠勿擾」 (日本語題 「狙った恋の落とし方。」) にも出演された、中国でも有名な女優さん


※ 関連エントリー
・ 戦後69年の夏、「満蒙開拓」 伝える日本映画がクランクアップ (2014年8月15日付)
・ 満蒙開拓の悲劇伝える映画 「望郷の鐘」、11月〜完成披露試写スタートへ (11月8日付)

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  • 2017.10.17 Tuesday
  • -
  • 14:50
  • -
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コメント
早々の記事。良く書けておりますね。さすがです。
戦争は双方の国民に苦しみをもたらします。
一人でも多くの方々にご覧いただきたい映画です。
  • 尾崎隆信
  • 2014/11/16 10:38 PM
尾崎隆信様:「望郷の鐘」完成披露試写会では大変お世話になりまして、ありがとうございました。

2階席までいっぱいで、ものすごい熱気でしたね。来年の戦後70年に向けて、多くの方に見てもらいたいと願っております。
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