
【北京 雑感 ブログ】
このほど2年半ぶりに
北京を訪れました。
その時に気がついた現地の
小さな変化について、メモしておきたいことの続きです (
その1=12月28日付)。
【変化の2】 物価が上がる
「中国の経済発展が以前よりも緩やかになっている」 という前回述べた感触と矛盾するかのようですが、
物価は確実に上がっていました……。
ちなみに
中国の経済成長の鈍化は国家統計局の発表でも明らかで、2015年7〜9月のGDP (国内総生産) は実質成長率で前年同期比
6.9%増と、リーマンショック後6年半ぶりの
6%台になりました。
政府が2015年の目標としていた
7%も下回り、
李克強首相はこれについて
「目標は絶対的に達成しなければならないというものではない」 との強気なまでの見解を明らかにしています (10月25日、ロイター)。
とはいっても
6%台の成長といえば、日本の2015年7〜9月の実質成長率は
1.0% (内閣府) ですから、まだまだ発展の勢いがあるというものです (公開統計上)。
とりわけ近年の中国の経済成長率を見れば、2013年は実質
7.7%増、2014年は
7.4%増でしたから、私が帰国した2013年以降も緩やかになったとはいえ
6〜7%台の安定成長を維持しています。
まさに中国の
習近平国家主席、
李克強首相が指摘する
「中国経済は新常態 (ニューノーマル) に入った」 ことを示すものなのでしょう。
前置きが長くなりましたが、
新常態に入り、安定成長を続けていると見られる中国・北京でも、それに伴う
物価上昇はいろんな場面で目につきました。
◆ 地元民が利用する街のフードコートで、ラーメン1杯が
12元 (1元は約19円) 前後に。 ラーメンの種類にもよりますが、以前 (2年半前) は
8〜10元ほどでした。
◆ タクシーの初乗り料金 (3キロまで) が
13元、以降は1キロごとに
2.3元加算に (郊外、夜間は割り増し)。
以前は初乗り料金が
10元で、以降は1キロごとに
2元加算でした (
関連エントリー、2013年6月10日付)。

◆ 地下鉄の乗車料金も値上がり。
以前は走行距離の長い13号線、空港ライナー以外は一律2元でしたが、現在は6キロ以内の
3元から、以降は距離によって加算されていました。
例えば、繁華街の
王府井駅から隣の
東単駅までは
3元ですが、乗り換えていく北京南部の
天宮院駅までは
7元に値上がりしていました。
地下鉄と同様、公共バスも全体的に値上がりしていました。
◆ 家賃の値上がり。 とくに市街地の家賃が
急騰し、地方から上京した
出稼ぎ労働者や
蟻族 (大卒でありながら満足な職につけず、集団で暮らす若者たちこと) などが郊外に追いやられているとか。
家賃の割安な郊外に転居しても、市街地にある職場には通勤しなければならず、
「最近の運賃値上げは本当にキツイ! 転居した意味があまりない」 とこぼしている現地の人もいました。
日本でも再来年 (2017年) 4月から消費税率が
10%へ引き上げられ、否が応でもさらなる
物価高を実感することになりそうですが……。
北京市民の中にも、近年の物価高には困惑の表情を浮かべる人たちがいました。 (ーー;
(この稿つづく、随時掲載)
※ 写真はいずれも地下鉄・王府井駅に掲示されていた乗車料金表。 料金によって、色分けされていた (2015年12月)。