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北京雑感2017 (その4) 北京に青空が戻った? (下)

  北京・前門大街

 【北京 雑感 ブログ】
 先日、2年ぶりに訪れた北京は、思いのほかお天気に恵まれました。
 たまたま運がよかったのかもしれませんが、この 「(珍しい)青空には、理由がある」 という意見を、ほうぼうで耳にしました――。

 ● まず、「この数日間、強風が続いたから、汚染物質を吹き飛ばしたのだ」 という意見。 確かに、滞在2日目 (10日) には、砂塵が舞うほどの強風が吹いていました。

 ● 次に、「中国政府が石炭火力発電所を止めたからだ」 という意見。

北京・護国寺街 なるほど、そういえば帰国後の17日(日)夜に見た、NHKスペシャル 「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」 でも、このことについて触れていました。

 2年前のパリ協定で、世界各国が脱炭素社会を目指すことで合意したことを受け、「世界最大の二酸化炭素排出国・中国も動き始め、老朽化した石炭火力発電所を停止。 100基の建設計画をストップした」 「ビジネスと一体となった脱炭素のうねりは誰にも止められない」 などと伝えていたのです。

 そこには、太陽光や風力といった再生可能エネルギーで “脱炭素” のリーダーをめざす、自信にあふれた中国と、“19世紀の遺物” 石炭火力発電所の輸出を推進し、世界の脱炭素のトレンドから取り残されようとしている日本の残念な姿が、対照的に描かれていました……。 (-ω-)

 それはともかく、どの程度の規模かわかりませんが、中国が 「老朽化した石炭火力発電所を停止」 したことで、北京に青空が戻ったのでしょうか!?

 ある北京在住の日本人の話では、石炭火力発電所停止の余波なのか、「この冬、日本人学校に暖房が行き渡らず、子どもたちが寒い思いをしている」 とのことでした。
 また別の日本人の話では、「石炭火力発電所を止めたところ、エネルギーが足りなくなって、急きょ何基かの火力発電所を再開したようだ」 とも……。

 ちなみに私が北京に滞在していた2013年当時、北京のエネルギー源は、天然ガスが約7割、石炭が3割以下といわれていました。 それが脱炭素社会をめざす今は、天然ガスや再生可能エネルギーにかなりの部分、シフトしていると見られます。

北京・西単北大街 ● 最後に、これはいくらなんでも悪いジョークだと思われますが……。

 北京市政府は今、人口過密の改善などを理由に 「低端人口」 (低ランク人口、低所得者や低産業従事者などを指す) の “清理” (整理) を急ぎ推し進めています。

 この秋の中国共産党大会で打ち出された、経済の 「高度成長から質の高い発展」 (政治活動報告) をめざし、首都機能を分散・発展させようとする現指導部の意向が反映されている、と見る向きもあるようですが……。

 それによって、「北京郊外に住む地方からの出稼ぎ労働者の多くが追い出されたため、練炭暖房を使う人が減少した。 それで北京の空が青くなった」 という意見です。

 少し前の11月末には、北京郊外で出稼ぎ労働者ら27人が死傷した火災が発生しました。 それを受けて、当局は渡りに船とばかりに “危ない” 老朽家屋に集まる住民たちを集中的に追い出しているのだとか……。

 「北京の発展を支えてきた人たちが、かなり強引に追い出されている」
 そんな声も聞きました。 低賃金で発展を支えた人たちがいなくなって、北京はこれまで以上に発展するのでしょうか??

 出稼ぎ労働者へのしわ寄せによって、青空が戻ったのだとしたら、悲しい空だと思いました。 (ーー;

  (この稿、終わり)


※ 写真は、今回の北京滞在で。 なぜか毎日お天気に恵まれた。 上から、
1) 北京の前門大街。 地方客の観光スポットとなっている。
2) 800年の歴史を持つという護国寺街。 2011年に改修され、各地の軽食や食料品、骨董、書画などの店が軒を連ねる新観光スポットに。 こちらは地元でも人気の蘭州ラーメン店。
3) 西単の大通り (西単北大街)。 若者が集まるファッション街で、東京でいえば渋谷か原宿といったところか? ピンクのクリスマスツリーが人目を引く。


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  • 2018.06.17 Sunday
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