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北京雑感2017 (最終回) 「新時代」 に入った中国 (下)

  天安門広場と青空

 【北京 雑感 ブログ】
 中国の今年の流行語の1つは 習近平新時代 だと、北京滞在中、恩師夫妻が教えてくださいました。

 それにしても、「習近平新時代」 とは何のことを意味するのでしょう?

 政治活動報告をよく読むと、◆国民の生活水準を向上させること ◆今世紀半ばまでに、世界一流の軍隊をつくり上げること ◆1949年の建国から100年を迎える今世紀半ばに 「社会主義現代化強国」 を目指すこと――などが主に挙げられています。

 つまり、中国が経済的・軍事的に強国化した時代、アメリカやロシアをもしのいで世界のトップに躍り出る時代――それが毛沢東による建国の時代でも、小平の改革開放時代でもない、「習近平新時代」 の意味するところではないか、と考えられます。
  政治スローガン

 そんな新時代のリーダー、習近平氏をどう見ているか? 中国の恩師夫妻に率直に尋ねてみました。
 二人とも北京出身のインテリですが、文革期 (1966〜76年) には “出身の悪さ” などが足かせとなって辛酸をなめた世代です。 それだけに思いは深いようでした。

 「時代はずっと良くなりましたよ! 習近平氏は (今年の) 新年のあいさつで、“撸起袖子加油干” (袖をまくりあげて頑張ろう!) と呼びかけましたが、その言葉が示す通り、彼は庶民目線で語り、庶民に寄り添った政策を打ち出しています!」

 「この安くはない老舗レストランが、昼間からこれだけ繁盛しているでしょう。 何を意味するか? 庶民もそこそこお金を持つようになった、ということなんですよ……」

 老師 (先生) たちは、習近平政権が取り組む “徹底的な” 反腐敗運動に対しても支持していました。
 人々の所得も総じてみれば上がっています。 とにかく習氏に全幅の信頼を寄せているといった風で、それを見ると、やはり “新時代” の幕開けに納得しないわけにもいかない……。
 なによりも苦労に苦労を重ねて、つましく生きてこられた老師たちの幸せそうなお姿を見て、私もうれしくなるのでした。

北京南東部の住宅街 別の日――。

 市南東部の住宅街を訪れました。 私が2013年に帰国するまで住んでいた北京の下町です。

 お世話になったご近所さんで、小さな商店を営んでいるAさん夫妻に久しぶりの再会を果たすと、温かい中国茶を出してもてなしてくれました。

 でもAさんは、聞くともなしにいうのでした。
 「この間の変化は激しく、物価も上がった。 あんたが住んでいたアパートも (この4年で) 賃料は2〜3倍、売り値だったら1平米3万元 (1元は約17円) から十数万元と4〜5倍は上がっている。 街の整備で、立ち退きに遭ったご近所さんもいるよ。 うちもしばらくは大丈夫だろうが、どうなることか……」

 Aさんも地方出身者ですから、北京市が最近進めているという 「首都機能の分散・発展」 政策で、いつ追い出されないとも限りません (関連エントリー)。

 「もし突然、退去命令が出たら?」 とおずおずと聞くと、「その時はその時だ。 ふるさとに帰るまでだよ。 ハッハッハッ」 とAさん。 意外と明るい様子なのが、私には救いでした。

 14億の人口大国・中国――。
 2200万の北京市一つをとっても、人々の暮らしはさまざまです。 世代や民族、境遇などによっても、現状への考え方や受け止め方は異なるでしょう。

 そんな多様な人々を乗せて、“巨大船” 中国 はどこへ向かうのか?

 この先、どんな航海になるかわかりませんが、少なくとも中国は、世界の強国を目指す 新時代 ルートをひた走っているように、私には思えました。

  (終わり)


※ 写真は上から、
1) この日も青空に恵まれ、天安門広場がより広く見えた。
2) いたるところで見かけた政治スローガン。 これは、「中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高々と掲げ、全面的小康社会を勝ち取る中国の夢の実現のため奮闘する」 とあった (北京・西単で)。
3) 北京南東部の住宅街。


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  • 2018.10.18 Thursday
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