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「起業とイノベーションで日中の未来を切り開く」シンポ――中国・深センでのリアル起業体験などに学ぶ

  「起業とイノベーション」シンポ_1

 【東京 シンポ ブログ】
 日本と中国の若者たちが、起業によってどのように未来を切り開いていくか、とくに中国が国を挙げて推し進めるイノベーション分野における可能性について語り合うシンポジウム 起業とイノベーションで日中の未来を切り開く が9月7日午後、東京・世田谷区の駒澤大学深沢キャンパスで開催されました。

 席上、日中の専門家や企業家らから、中国で今一番熱いイノベーション都市・深圳の現状や現地でのリアル起業体験などが語られ、中国ビジネス関係者や起業を目指す学生ら参加者たちが熱心に耳を傾けていました。
 今年の日中平和友好条約締結40周年記念事業の一環で、主催は和僑会シンポジウム実行委員会、共催は駒澤大学経済学部現代応用経済学科ラボラトリ。

 来賓として、駐日中国大使館交流処の汪婉参事官 (程永華大使夫人)、チャイナフェスティバル2018事務総長で衆議院議員の青柳陽一郎氏が出席し挨拶したのに続いて、開催校を代表して駒澤大学経済学部の長山宗広教授が挨拶しました。

「起業とイノベーション」シンポ_2 専門家スピーチでは、同大経済学部の王穎琳講師が 「深圳におけるイノベーション」 について報告。

 中国の改革開放後、広東省深圳市が中国経済を牽引する経済特区になって今年で38年。
 この都市は加工貿易によって培われた電子部品の製造能力に優れており、とくに2015年1月、李克強首相が 「大衆創業、万衆創新」 (大衆の起業、万人のイノベーション) という起業促進政策を打ち出したことで空前の創業ブームが起きているそうです。

 その中で、深圳では 「第三の産業革命」 ともいわれるデジタル製造の新潮流 「メイカーズ・ムーブメント」 が起きており、成功事例として、民生用ドローンの世界シェアNO1企業 「DJI」、世界3位、中国1位のオープンソースハードウェア製造企業 「Seeed」 (シード) などの取り組みが紹介されました。
 ちなみに、「メイカーズ」 は中国語で 「創客」 と訳されているそうです。

「起業とイノベーション」シンポ_7 深圳がなぜ、イノベーション都市として発展したかについて、王講師は 移民の都市、若い都市 (平均年齢32.5歳)、標準語を使う都市 など起業環境面における優位性を上げた上で、

 (1) 深圳には世界企業トップ500に選ばれた企業が多い

 (2) クラウドファンディング、エンジェルファンドによって、スタートアップ企業を資金面において支援する会社が増えている

 (3) クラウドイノベーション、草の根イノベーションにより、誰でもイノベーションを起こすことが可能

 (4) 政府の支援が厚い。 例えば海外高度専門人材に対する支援金は、イノベーション、起業チームに最高1億元 (16億円)、さらに個人・チームリーダーに最高600万元 (9600万円) を提供

 ……といった特徴を紹介。 深圳は今、官民挙げて優れた人材を集め、中国を代表するイノベーション都市として、また25年間連続中国最大の輸出都市として発展している――などと報告されました。

 続いて、シンクランド株式会社の宮地邦男社長が 「日本人の起業と課題」 と題してスピーチ。
 その後、日中双方の学生・留学生、起業経験者、専門家らをパネリストとしたトークセッションが行われました。
 テーマは 「起業とイノベーション」。
 ファシリテーターは、北京和僑会副会長の松野豊さん (日中産業研究院代表取締役、上海交通大学日本研究センター客員研究員) が務めました。

 以下に、一部パネリストの発言をご紹介すると……。

 ◆文捷 (ぶん・しょう) さん (中国人留学生。 早稲田大学大学院で起業者研究をしながら、日中イノベーションセンターを起業、中国政府の起業支援について研究中)

「起業とイノベーション」シンポ_3 ――中国では今、イノベーションを大変重視しているが、そうしなければならない事情がある。 人件費高騰により日本企業などが中国から撤退するという危機に直面し、イノベーションを利用しながら 「産業転型昇級」 (産業転換のグレードアップ) を図っているというのが現状だ。

 日本の中小企業、町工場の技術は高いが、後継者問題で悩んでいる。 中国には若い人材も多いので、新しい形の国際連携ができればというビジョンを描いている。

 ◆有満勇人 (ありみつ・はやと) さん (東京工業大学大学院のダブルディグリープログラムにより、中国の清華大学に留学し、今年9月に帰国)

「起業とイノベーション」シンポ_4 ――起業について、日本の若者の多くは身近に感じられないが、中国では当たり前に聞く話。
 清華大学にはインキュベート (起業家支援) 機関 「x-lab」 があり、何か新しいことをやりたい人がそこで面接試験を受けて通れば、アドバイスやリソースを得ることができる。

 私が立ち上げた団体 「Dot STATION」 も現在唯一の日本人団体として登録されていて、この夏には 「リアルな北京」 を実際に見てもらおうと、日本人高校生向け北京ツアーを開催。 北京のシリコンバレー・中関村で起業した日本人の若手企業家の話を聞き、「起業に対するモチベーションが上がった」 「失敗を恐れず、行動を起こすことが大事だとわかった」 などと好評を得た。

 実際に企業家から話を聞く機会をつくり、起業を身近に感じることが重要なのでは、と思った。

 ◆川ノ上和文 (かわのうえ・かずふみ) さん ((株)エクサイジングジャパン代表取締役。 北京留学などを経て、2017年に深圳でドローンビジネスを展開する同社を創業)

「起業とイノベーション」シンポ_5 ――普段つきあっている (中国の) ビジネスパートナーは、20代後半から30代前半くらい。 多くは海外経験があり、非常に客観的に中国・深圳という場所を見ている。

 そして自分たちが深圳の経済を牽引しているんだ、という意識が強い。 上の世代にできないことが自分たちにはできる、その (いい) タイミングに来ていることを、意識して動いているように感じる。

 今の中国は変化が速いからこそ、いろんな概念が生まれている。 例えばブロックチェーン (ビットコインの中核となる “取引データ” 技術のこと) とか、AIとか。 そうした新しい概念は、若いからこそ柔軟に受け入れられるし、かつそれをベースに社会が作られることが受け入れられる。 そうした柔軟性を持つ人が、深圳には多いんじゃないか。

 ぜひ若い人たち、まだ行ったことのない人は、中国・深圳に行って変化を感じてほしい。 そこで脅威を感じるだけでなく、いかに自分が変化を起こす側になれるか、そうしたことを考えながら自分のキャリア設計をしてみてほしい。

                   ◇       ◇       ◇

「起業とイノベーション」シンポ_6 ファシリテーターの松野さんは、「国の将来を支えるのはイノベーションといっても過言ではなく、アメリカでは四大テクノロジー企業 “GAFA” が経済を支えている。 方や日本ではどうか? 日本でも (産業の) 新陳代謝を高めないと “伸び” が見込めないのでは」
 「日中間の往来は今、来日中国人客が年間700万人超で圧倒的に多い。 身近に起業家精神にあふれた中国の人が多くいる。 近年にない新しい時代に、そういう人たちと一緒に何かをやれば、ものすごく刺激を受けるのではないかと思う」 などと、新グローバル時代における 「起業とイノベーション」 の課題を提起していました。


※ 写真はいずれも、シンポジウム 「起業とイノベーションで日中の未来を切り開く」 の模様 (2018年9月7日)。

※ 関連エントリー
・ 「和僑と華僑が切り開く、日中の未来」シンポ、10/19開催へ (2017年10月6日付)
・ 「和僑と華僑が切り開く、日中の未来」シンポ――和僑・華僑の役割など活発に討論 (2017年10月20日付)
・ 日中の未来を切り開く 「起業とイノベーション」 シンポ、9/7開催へ (2018年8月23日付)


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  • 2018.09.17 Monday
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