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お茶もお酒も持ち込みOKに!? 北京雑感2019 (付記)

砂鍋白肉 【北京 雑感 ブログ】

 先日、訪れた北京で、久しぶりに再会した友人たちと中国料理を楽しんだ時のこと。

 いずれも長年北京に暮らす中国通ばかりですが、その中の一人、Sさんが食事の合い間に 「開水」 (白湯) を頼みました。

 冬の乾燥が激しい北京では、よくお湯を飲む習慣があります。 水は冷たいので、中国医学的には体を冷やしますし、水道水が硬水なので煮沸してから飲むのが一般的だからです。
 そのため、別段ふしぎにも思わなかったのですが、続いてSさんがおもむろに取り出したのは、中国茶! なんと持参した “マイ茶葉”、つまり持ち込みの中国茶だったのです。 食品衛生法で厳しく管理される日本の飲食店では、ちょっと考えられないことです。

 「いいの、いいの。 最近はこういうことになっているのよ」 とSさんは大らかに笑うのでした。
 私が北京に滞在していた6年ほど前もそうでしたが、レストランや茶館 (伝統的な喫茶店) で中国茶を頼むと、料理の値段よりもはるかに高くついたことがありました。

 店側はウーロン茶やプーアル茶のいわゆる “高級茶” を出して、手っ取り早くもうけたいのかもしれませんが、今でも 「店で飲む中国茶は高い」 という構造はあまり変わらないよう。 しかも高級茶葉の値段がハネ上がっていて、贈答品では一箱何十万円するものもあると聞きます。

 そこに一石を投じたのが、中国共産党の習近平総書記 (国家主席) が2012年末に発令した 「八項規定」 (贅沢禁止令) でした。

 官費による贅沢な接待や贈答行為などを厳しく禁止したもので、ひところなどは 「中秋節に勤務先から支給されていた月餅セットがもらえない」 とぼやいていた中国の友人もいました。

 その贅沢禁止令が、今や生活の隅々まで浸透したようで……。
 Sさんいわく 「贅沢してはいけないんだから、レストランではお湯だけサービスしてもらい、家から持ってきた茶葉を使えばいいの。 みんなそうしているし、ふつうの店なら文句は出ないわよ」 とのこと。

 店側もなんとも太っ腹というか、変わり身が早いというか……。
 客側にしてみれば大変ありがたいことで、食事代が節約できるし、合理的な飲食システムでもあります。

 そういえば、宿泊ホテルの朝食バイキングのホールには、「食品を無駄にせず、食べ切れるだけ取りましょう」 という食品ロス削減の注意書きが貼られていました。
 中国ではかつて、お客様に余るほどのご馳走を出してもてなしたものですが、そうした古い習慣も薄らいできたのでしょうか。 贅沢・ムダ禁止令の影響なのでしょうが、変われば変わるものなんだ……と驚きました。

 Sさんは、さらに驚愕の事実を教えてくれました。
 「近年は高級白酒 (中国の蒸留酒) がさらに高騰したでしょう。 だから、お酒も持ち込みOKなのよ。 その方が安くつくからね。 中には店にいながら “快递” (クァイディ、バイク便) にお酒を頼んで、持ってきてもらうツワモノもいるのよ〜」

 なんと、お酒の持ち込みがOKだというのです! もちろんレストランにもよるのかもしれませんが、少なくとも私が北京にいたころ、そうした合理的なシステムや習慣はありませんでした。
 やはりそれも贅沢禁止令の一つの解釈であり、影響なのでしょう。 国内消費の委縮など景気への影響が気になるところではありますが……。

 そうはいっても、私には北京の人々が大きな贅沢ができない代わりに小さな幸せとばかりに、上手に節約・倹約しながら生きているように見えました。 そしてふと、中国の有名なことわざ 「上有政策、下有対策」 (上に政索あれば、下に対策あり) を思い出したのでした。

 今年、建国70周年を迎え、新時代の到来を強調する中国ですが、時代は移り変わっても、庶民はやはりたくましく生き抜いているようです。  (^^;)>


※ 写真は、本文とは直接関係ありません。
  清代から続く老舗 「砂鍋居」 で名物の 「砂鍋白肉」 (豚バラ肉・白菜の漬物・春雨の土鍋煮込み) をいただきました (2019年12月)。


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  • 2020.03.31 Tuesday
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