【図書 アニメ ブログ】
教えてくれる人があり、『
機動戦士ガンダム』 のキャラクターデザイナーである漫画家の
安彦良和 (やすひこ・よしかず) 氏と、東奥日報記者・
斉藤光政 (さいとう・みつまさ) 氏の共著となる
『原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く』 (岩波書店、2017年) になんと! 私めの文章が引用されているというので、
ぶったまげました!!
驚きのあまり、つい、はしたない言葉遣いをしてしまいましたが…… (汗)。
なんでも安彦氏は、弘前大学全共闘の元リーダー。 学生運動の闘士からサブカルチャーのアイコンへ、異色の転身を遂げた人物なのだそうです。
本書は、そんな安彦氏の数奇な半生に迫り、「原点」 にある世界観や人間観をひもといたアニメ・漫画ファンのバイブルともいえる一冊。
安彦・斉藤両氏と直接の面識はありませんし、ましてやガンダムシリーズは、確か中学生のころに始まった初代ガンダムの最初しか見ていない私。
思春期の多くの女子がそうであったように、リアルな巨大ロボットや戦闘シーンにのめり込まなかったので、本件については恐縮しきりなのですが……。
注目 (!?) の箇所は、本書の226〜227ページ。
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「nippon.com」 (ニッポンドットコム、東京・虎ノ門) に掲載された拙レポート <
北京が萌える 「日本動漫」 ―北京の動漫イベントとキャンパス内「メイド喫茶」を訪ねて―> が一部引用されていました。 しかも見開き2ページにもわたって……(汗)。
中国の若者たちに広がる日本のアニメ・漫画文化の実態を、2012年の北京から伝えた記事です。 今から見れば、アニメファン層がさらに若返っているので、記事に古さを覚えなくもないのですが、本質の部分ではさほど変わっていないことと思います。
本書によれば、安彦氏は2016年3月、中国最高峰の学府・北京大学に招かれて 「
日本のサブカルチャーとしてのアニメ」 について特別講義をされたそうです。 その関係で、拙記事が注目されたようでした。
記事を引用されたのは斉藤氏ですが、もちろん安彦氏も関心を寄せてくださったようで、逆引用させていただくと――
<……安彦はあらためて自問自答する。日本のマンガとアニメのおもしろさってなんだろう? と。
「はっきりいえるのはテクニックではないということ。それではなんなのか? 中国の宅男、宅女 (オタク) たちのいうようにイメージを喚起する力なのか? ただ一ついえることがあるとしたら、それはやりたいことをやり、自分がつくりたいものをつくるということではないのか。それが日本のものづくりの生命線であり、世界に通用する作品をつくる原点なのではないか」
そう思っている。>
というわけで、図らずも書籍の上で、安彦・斉藤両氏と対話をさせていただいたかのような感動を覚えています……。 (^^;)>
大変光栄に思うとともに、
「世界に通用する作品をつくる原点」 についての安彦氏のこの言葉を、私自身、自問自答し続けたいと思いました。
この場を借りて、心より感謝申し上げます。 ありがとうございました!
ご関心のある方は、拙レポートがどのように引用されたか、本書にご注目いただければ幸いです。 (=^ ^=)
※ 写真は、安彦良和、斉藤光政著 『原点 THE ORIGIN―戦争を描く、人間を描く』 (岩波書店) より。