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北京の魯迅旧居、取り壊しの危機に!?

八道湾胡同1  八道湾胡同2

魯迅旧居 中国の文豪・魯迅 (1881−1936) が数々の名作を生み出した北京の旧居が、取り壊しの危機に直面している!?

 市内中心部に位置する、西城区の八道湾胡同11号院。昔ながらの街並みを残す 「胡同」 (フートン) と呼ばれる横町の一角に、その家はある。 「四合院」 という中庭を囲んで四方に建物を配した旧式の邸宅であるが、今では寄り合い住宅となり、かつての面影は薄らいでいる。

 取り壊しは地域の再開発計画にともなうもので、2011年にはここに近代的な学校が建設される予定だという。 しかし、魯迅はここに住んだ4年近くの間に 『故郷』 『阿Q正伝』 などの数多くの名作を発表している。
 研究者のなかには 「住民が移転したら、四合院はもとのように保存できるはず。 学校は文化を継承することが務めであろう」 と呼びかける人もいるという。

 (※ 以下、東方書店ホームページで公開中の 「北京便り」 7月号から一部をご紹介します)

取り壊し公告■ 八道湾胡同を訪ねて

 北京の地図を開くと、中心部に 「ゝ」 の字形をした人工湖 「什刹海」 がある。その西側に延びる東西の大通り 「西直門内大街」 から 「趙登禹路」 に南下すると、左手に現れる最初の胡同がくだんの 「八道湾胡同」 だ。

 「八道湾」 という地名のとおり、鍵型に折れまがった細い小道を歩いていくと、そのうち東西に延びるいささか開けた通りに出た。ここら辺だろうかとキョロキョロしていると、近所の人だろう、ランニングシャツ姿のおじさんが 「11号院かい、ここだよ」 と親切なことに教えてくれた。 「向こうに出られるから、中をのぞいて見たらいいさ」

 おじさんの勧めに励まされながら、レンガ造りの小さな南門からそろそろと入ってみた。 人ひとりが通れるくらいの道を残して、庭という庭、建物という建物に、後から増築されたのであろう、レンガ・コンクリート造りの簡素な住居が密集していた。
 魯迅の時代は1つの大家族で住むのが基本であった 「四合院」 だが、こちらはまさに 「大雑院」 とも 「雑院」 ともいわれる寄り合い住宅。 1949年の新中国成立後、人口の増加にともない数世帯が雑居するという住形態になったものだ。

 狭い道には、洗いたての洗濯物がのれんのようにかけられていた。 ひしめきあった家々からは夕げの仕度なのだろう、炒め物をする香ばしいにおいが漂ってきた。 大きなエンジュの木陰では、カゴの小鳥も、飼い猫たちもまどろんでいた。こうした人情味あふれる風景も、やがて取り壊されてしまうのか……。
 裏口を出ると、近所の人たちが寄り集まっていた。 胡同の取り壊しの話でもちきりである。 あるおじさんが手にしていた地元紙 『京華時報』 は 「魯迅旧居の取り壊し計画」 を大々的に伝えていた。 「新聞は注目してくれるが、胡同の取り壊しはもう決まったこと。 わしらも早晩、引っ越さなければならないよ」 とおじさんはタメ息混じりに話していた。
 複数の地元紙によると、八道湾の魯迅旧居には現在、約40から50の家族が暮らすのだという。

■ 胡同の取り壊し計画

 ここ、西城区の 「家屋取り壊し公告」 が発表されたのは6月26日のこと。
 大手金融機関があつまる区内の金融街の拡張プロジェクトにともない、移転を迫られた北京市三十五中学 (中学・高校) の新しい移転先が 「西直門内大街―趙登禹路―八道湾胡同―前公用胡同」 にまたがる敷地になる。 そこで、このエリアの取り壊しが、同区教育委員会による教育用地プロジェクトとして進められることになったのである。
 三十五中学の新しい校舎は、敷地約4万3000平方メートルと、東京ドームにも匹敵する広さ。 総工費は約6億元 (1元は約14円) で、現在よりも6クラス多い全36クラス編成、校内には天文台も置かれるというモダンな設計になる予定だ。
 
 八道湾胡同で見かけた 「公告」 の張り紙は 「当地の機関と住民は、8月10日正午までに移転を済ませること」 と伝えていた。
 地元紙によれば、撤去の補償金は1平方メートル2万5000元ほどだというが、たとえ一家族が数十万元を手にしたところで、高騰した市街地の住宅を求めるのは難しい。 かといって物件の安い郊外に移り住めば、出勤や通学などに支障がでる。
 五輪をすぎて、なおも再開発が進む街・北京。
 胡同や家屋の取り壊しも、依然として住民たちの悩ましい問題になっているようだ。


※ レポートは以下つづく。 ご関心のある方は、こちらもぜひご覧になってみてください。

  東方書店 オフィシャルサイト
  WEB東方 [北京便り] 7月号
  「北京の魯迅旧居、取り壊しの危機に!?」 (7月22日付)


【注】 東方書店HPは現在、中国大陸部で開けない場合があります。 フィルター解除ソフトを使うと開くことができます。 解除ソフトご希望の方は、お気軽にご連絡ください。

 【しゃおりん連絡先】
 sayukoba @ ヤフー.co.jp (半角英小文字に変換してください)


※ 写真は左上から、´ 魯迅旧居のある八道湾胡同  魯迅旧居、八道湾胡同11号院 と道湾胡同に張られた 「北京市家屋取り壊し公告」。



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  • 2017.11.24 Friday
  • -
  • 10:50
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コメント
なんと!!!!

ここも魯迅の故居って事で、すこし綺麗にして、博物館にすれば良いのに…って思うのは外国人だからですかね??
やーうぇんさん: ありがとうございます。
すみません、レポートを途中までしか載せていないので……。^^;

北京魯迅博物館の孫郁館長とか、学者らの反対もあって、結局ここに移転してくる「北京市第三十五中学」は旧居を「復元」して残すことにしたようです(詳しくはレポートのほうをお読みいただきたいのですが、おそらく開けないですよね〜〜)。

しかし「復元」ということは一旦取り壊した上での「復元」になるので、どうなるかな〜といったところ。。。
たしかに今の「雑院」(寄り合い住宅)のままでは、保存するにもできないのかもしれませんが・・・。
とりあえずは旧居が残されるようで、よかったのですが、どうなりますことやら。工事は来年1月からスタートするそうです。
しゃおりんさん、
もう4−5年前に、たしか武之助でお目にかかった趙です。去年から東京へ移転し働いています。
阜成門の魯迅故居は、あの一角が昔の雰囲気が残っている場所なので、歩くのが楽しいところでした。阜成門からの途中に包子屋があってまだ6毛か7毛で売っていました。
何で中国近代文学の父というか、中国に他に文学の父なんていないのに、魯迅先生の家を壊そうとするのでしょうか?
本当にもったいない気持ちです。もったいないは、「浪費」とは意味が違うのですが、中国人にすごく説明しにくい言葉です。
趙秋瑾さま: コメントありがとうございます!
以前、武之助で!そうでしたか、失礼しました。。。

>本当にもったいない気持ちです。
東方書店HPを見ていただくと、続きが書いてあるのですが、魯迅故居は「復元」の形で保存されるようですね。具体的にはまだハッキリはしていないのですが。

>昔の雰囲気が残っている場所
そういう場所も少なくなってしまいますよね。残念なことですが、これも時代の趨勢なのでしょうか……。

ところで貴ブログを拝見しました。
「小姐」の問題は、日本人としてもタメ息が出ます。最近また取り締りが厳しくなったようですが、嗚呼……。
趙秋瑾さま: 追伸です。
うっかりしていましたが、阜成門の魯迅故居(もとの西三条胡同)は、北京魯迅博物館の一角に残されています。今年の9月6日まで、修復工事中で見られませんが……。

リニューアルされた北京魯迅博物館には、福井県あわら市から贈られた藤野先生の胸像が置かれています。博物館も立派で、何度も訪れたいところです。
しゃおりんさん、
おっしゃっている魯迅故居は阜成門のとは違うのですね。私はすっかり勘違いしてしまいました。これは后海の宋慶齢邸の裏のほうですね。

これだけ新しくしかも自分で見つけた興味あるネタを書き続けるのは本当に大変なことだと思います。しゃおりんさんのパワーは中国人より上ですね。

趙秋瑾さま: ありがとうございます!

>これは后海の宋慶齢邸の裏のほうですね。
厳密にいいますと、后海や、宋慶齢邸の西側にある「西直門内大街」に近いところの胡同です。「新街口」に近いです。

>しゃおりんさんのパワーは中国人より上ですね。
いえいえとんでもありません!!!
中国メディアに毎日触れていると、興味深い話題があちこちに転がっています。私はそこから触発されるだけなのです……。

それにしても素敵なお名前ですね!
魯迅にも、秋瑾像を投影した作品(「藥」)があるそうですね。
秋瑾女史の革命精神にならい、私たちもがんばりましょう〜〜!! ^^)/
魯迅旧居は、まだ行ったことがありません。
魯迅の作品も読んだことはありませんが、誕生日が同じなので、いつか行こうと思います。
壊さないでいてほしいと思います。
  • シャンティアオ
  • 2009/07/27 7:09 PM
シャンティアオさん: ありがとうございます。
>魯迅旧居は、まだ行ったことがありません。
魯迅ゆかりの各地にあるはずですよ〜。

ちなみに現在、北京でしっかりした形で保存(復元)されているのは、北京魯迅博物館の中にある旧居です。9月6日まで、修復工事中ですが。
こちらが公式サイト。なかなか洒落ていますよ!
http://www.luxunmuseum.com.cn/

>誕生日が同じなので
9月25日ですね! それはぜひ、行かれてみてください!! 作品は「故郷」など、国語の教科書で読まれているのでは??
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